マジカルガール

評価

★★★☆☆

一度は見る価値がある

 

あらすじ

白血病に冒された娘のために、彼女が欲しがっている魔法少女のドレスとステッキを手に入れようと父親が奮闘する話。

それらはかなり高額であり、失業中の教師である彼には容易に手に入れることができない。そんな時ひょんなことから元ポルノ女優の弱みを握ることになった。彼女を脅迫してお金を手に入れるが、その女優は金を手に入れるために自らを犠牲にしていた。

無理な金策のため、彼女はついに重体で入院することになってしまった。病床で彼女は知人である元殺人犯に頼んで、その父親を殺害させようとする。

かくして彼は父親だけではなく、ドレスを着てステッキを持った姿の娘までも殺してしまうのだった。

 

感想

やっぱり魔法なんかなかったんや。

スペイン映画なのだが、日本語の挿入歌があったり、娘が日本名のアダ名で友達と呼び合っていたり、どういった背景からこの映画が生まれたのか非常に気になる。

話自体はミステリーということで始終重い空気がまとわりつく中、絶望に向かってじわりじわりと状況が落ちていき、そのままなんの救いもなく終わってしまう。

そもそも娘は確かに魔法少女の大ファンではあっただろうが、それよりも父親との時間を過ごすことを最大の幸福と考えていたはず。

ラジオはともかくとして、相談に行った友人からもそのようにアドバイスをもらっていたのに、この父親は視野狭窄になってお金を手に入れることしか考えられず多くの悲劇が起きてしまった。

全体的な雰囲気もテンポも良く、出演者の演技も良かったが、なんとも腑に落ちないのはその父親の考えの狭さと、それを肯定する要素にかけること。あと、これ魔法少女要素いる? ってところだと思う。

元ポルノ女優さんが少女時代に手品のようなことをして、それが殺人犯をパニックにさせたとか、最後には逆に手品をされるとか、挿入歌で炎の女だとか歌われてたりとか、たしかに暗示する部分はないでもないけど、、、

あと使いたい魔法の話はなんだったんだろう。いなくなるのと同じような魔法を父親が望んだから本当に消されちゃった? 違う人になりたいっていうのは娘の変身願望? なんかなんか消化不良。

というような映画でした。他の人のレビューも見てみようっと。